・バイオトレンドプロ解析プログラム
Bio Trend Professional 呼吸解析機能オプション
・低周波帯FFT解析proプログラム
Low Frequency Analysis Pro
呼吸は自律性と随意性を併せ持ち、意識下、無意識下ともに制御される点は特異的であり、内的・外的刺激からの影響が表れるものです。生理心理学的には主にストレスおよび情動変化に対する呼吸の変化が研究対象となります。交感神経系賦活時には呼吸は速く規則的に、副交感神経系の賦活時には呼吸数が落ちるなど呼吸の速度、深さや不安定性は自律神経活動を反映します。
呼吸波形から得られる情報は、呼吸の速さ、呼吸の量、リズム、呼吸パターンなどですが、Bio Trend Pro呼吸解析機能オプションプログラムを用いれば、1つひとつの呼吸波形から各パラメータを抽出し解析を行えるため、ストレス評価の研究に利用できます。
Type RespEx | 拡張の呼吸解析タイプを選択 |
Title | 解析トレースのタイトル名を指定、ダブルクリックで入力が可能 |
Signal | チャネル指定の信号タイプを指定、通常はResp を選択 |
Label | チャネル指定のラベル名を指定(Mean:区間平均 Thin:間引きデータ) |
Trend | トレンド作成方法を指定(トレンド内で変更可能) |
Type | 呼吸パラメータを指定可能です。(トレンド内で変更可能) |
LFF | DC呼吸センサの場合は、通常 OFF |
HFF | 呼吸に細かい波が乗るのを防ぐために 1Hz 程度のフィルターを指定 |
複数呼吸波形のピーク検出(オート及びマニュアル修正可能)し、呼吸数、振幅、呼吸速度、吸気時間及び呼気時間、I/E(吸気/呼気比)を出力することが可能です。
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Rate | 呼吸数(bpm) |
Up-Amp | 振幅(吸気) |
Dn-Amp | 振幅(呼気) |
Top-Amp | Top 値(呼気開始点) |
Bottom-Amp | Bottom 値(吸気開始点) |
Speed | 呼吸速度 |
Speed-Up | 呼吸速度(吸気) |
Speed-Dn | 呼吸速度(呼気) |
Up-Time | 吸気時間 |
Dn-Time | 呼気時間 |
I/E | 吸気時間/呼気時間比 |
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この研究には空気圧式呼吸センサセット(AP-C034)(通称:DC呼吸センサ)を用います。
胸腹部に巻いた蛇腹型センサで呼吸運動により生じた圧力変化をキャッチし、アダプタ内のひずみゲージ式圧力 センサにより電圧信号に変換し、出力します。
直流からの測定が可能で、ゼロ調整機能によりピックアップを装着した状態を初期状態(ゼロ)として計 測できます。
呼吸曲線を周波数解析して、スペクトル振幅がピークとなる周波数を呼吸ピーク周波数(PF)、PFの半値幅(FWHM)の範囲の重心位置を呼吸重心周波数(GF)、GFとPFの差の絶対値|GF-PF|などがあり、PF,GFは呼吸の特長を反映し、 |GF-PF|は呼吸の不安定性の指標と言われています1)。
ここでご紹介する低周波数FFT解析Proプログラム(Low Frequency Analysis Pro)は、1Hz 以下の低い周波数成分の波形をFFT解析し、CSA アレイスペクトラム表示及び帯域パワートレンドを表示するプログラムです。
- ■ 中川千鶴:総説・特集③人間工学のための計測手法 第4部:生体電気現象その他の計測と解析((5), 人間工学 Vol.52、No1(2016年)
- ■ 大須賀美恵子:生理実験入門(全4回)第4回自律神経系指標の計測、ヒューマンインターフェース学会誌、7(4),285-290,2005年
- ■ 下野太海、他:心拍・呼吸・血圧を用いた緊張・単純作業ストレスの評価手法の検討、人間工学、34(39,107-115,1998年